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歯が割れた(歯根破折)とは?症状・原因・治療法を歯科医師が解説

2026/03/04

カテゴリー:

「歯が割れたかもしれない」「噛むと痛い」「歯ぐきが腫れている」
このような症状がある場合、歯根破折(しこんはせつ)と呼ばれる状態の可能性があります。

歯根破折とは、歯の根の部分が割れてしまう状態で、特に神経を取った歯に起こりやすいトラブルです。
状態によっては歯を残せない場合もあり、抜歯が必要になることもあります。

この記事では、歯根破折の原因や症状、治療方法について歯科医師の立場からわかりやすく解説します。

目次


歯根破折とは

歯根破折とは、歯の根(歯根)が割れてしまう状態を指します。

歯は外から見ると白い頭の部分(歯冠)しか見えませんが、その下には顎の骨に埋まっている歯根があります。
この歯根部分が割れてしまうと、細菌が入り込み、痛みや腫れなどの症状が出ることがあります。

特に次のような歯で起こりやすいとされています。

・神経を取った歯
・大きな被せ物が入っている歯
・歯ぎしりや食いしばりが強い方
・一番後ろの歯


歯根破折の主な症状

実際に歯根が割れると上の写真のように歯肉が炎症を起こしたり、排膿します。
また、レントゲンでその様子を観察できる場合があります。
歯根破折では、次のような症状がみられることがあります。

  • 噛むと痛みがある
  • 歯ぐきが腫れる
  • 歯ぐきから膿が出る
  • 歯がぐらつく
  • 違和感が続く
  • 何もしていなくても痛む
  • 歯から悪臭がする

ただし、症状が軽く気づきにくいケースもあります
「なんとなく違和感がある」「同じ場所が何度も腫れる」といった場合は、歯根破折の可能性も考えられます。


歯根破折の原因

歯根破折が起こる原因にはいくつかあります。

神経を取った歯

歯根破折は、神経を取った歯(失活歯)で起こりやすいことが知られています。
研究では、歯根破折によって抜歯となった歯の多くが根管治療を受けた歯だったと報告されています。


抜歯原因を調査した研究では、歯根破折によって抜歯となった歯の90%以上が根管治療歯であったと報告されています(※1)。
神経を取った歯は歯質が弱くなり、強い噛む力によって割れてしまうことがあります

歯ぎしり・食いしばり

強い噛む力が繰り返しかかると、歯に負担が蓄積し破折の原因になります。
人の噛む力は想像以上に強く、奥歯では60〜80kg程度の力がかかることもあるといわれています。
このような強い力が日常的に歯に加わることで、歯や被せ物には大きな負担がかかっています。

さらに、睡眠中の歯ぎしり(ブラキシズム)では注意が必要です。
睡眠中は無意識の状態で噛みしめてしまうため、日中のような防御反射が働きにくく、通常よりも強い力が歯に加わることがあります

研究では、睡眠時の歯ぎしりでは100kg以上の力が発生する可能性があることも報告されています。(※2)
このような強い力が繰り返し歯に加わることで、歯に亀裂が入り、最終的に歯根破折につながることがあります。

外傷

転倒や事故などで強い衝撃が加わると、歯が割れることがあります。

大きな虫歯や被せ物

歯の構造が弱くなると破折のリスクが高まります。
神経をとった後に大きな土台が入っている歯や、虫歯が大きく歯質を多く削っている歯は破折しやすくなります。
また、金属などの硬い被せ物や詰め物が装着されている歯や、ブリッジの支えになっている歯も破折しやすいです。


歯根破折の治療方法

歯根破折の治療は、割れている場所や状態によって異なります

歯を保存できるケース

破折の位置が浅い場合には、破折している部分を除去して被せ物を作成したり、接着修復することで歯を保存できることがあります。

抜歯が必要なケース

歯の根まで大きく割れている場合は、歯を残すことが難しく抜歯が必要になることがあります
通常のレントゲン検査だけでは分かりにくい場合は、CT検査などを用いて診断することもあります。


歯根破折は予防できる?

歯根破折は一度起こると歯を残すことが難しい場合も多いため、できるだけ予防することが大切です。
特に神経を取った歯は構造的に弱くなっていることが多く、強い噛む力が繰り返しかかることで歯根破折のリスクが高くなると考えられています。

そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は注意が必要です。
前述した通り、起きている間よりも、睡眠時や何かに集中している無意識のうちに強い力が歯にかかることが多いことがわかっており、そのような時に歯や被せ物に大きな負担がかかることがあります。

このような場合には、就寝時にナイトガード(マウスピース)を装着することで歯にかかる力を分散させ、歯を守ることが期待できます。

また、定期的に歯科医院で歯の状態や被せ物の状態をチェックすることも重要です。

神経を取った歯や大きな被せ物が入っている歯は、定期的な検診を受けることで早期にトラブルを発見し大きく歯が破折する前に対応できる場合があります。
歯に違和感がある場合や、歯ぎしり・食いしばりが気になる場合は、歯科医院に相談することをおすすめします。


抜歯後の治療方法

歯を抜いた後は、そのままにせず失った歯を補う治療が必要になります。
主な治療方法には次の3つがあります。

ブリッジ

両隣の歯を削って被せ物でつなぐ方法です。

入れ歯

取り外し式の装置で歯を補う方法です。

👉入れ歯についての記事はこちら

インプラント

顎の骨に人工の歯根を埋め込み、歯を作る治療です。
周囲の歯を削らずに治療でき、しっかり噛めるという特徴があります。
西宮北口のアネックスデンタルクリニックでは、インプラント治療の専門医に認定されたDrによる、専門性の高い治療を行っています。
無料相談も行っているため、お気軽にお問い合わせください。

👉インプラントについての記事はこちら


歯が破折した場合は早めの受診をおすすめします

歯根破折は、放置すると炎症が広がる可能性があります。
違和感や痛みがある場合は、早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。

西宮のアネックスデンタルクリニック・矯正歯科では、CTを用いた診断やインプラント治療にも対応しています。
歯が割れてしまった場合や、抜歯後の治療についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。

参考文献

※1 Yoshino K, Ito K, Kuroda M, Sugihara N.Reasons for tooth extraction in Japan. J Oral Sci. 2015;57(3):219-223.

※2 Kato T, et al. Sleep bruxism and masticatory muscle activity. Sleep Medicine Reviews.


この記事は、西宮北口 アネックスデンタルクリニック院長・岡本が監修しています。