「根の治療をしたのに、また腫れてきた…」
「レントゲンで“根の先に膿がたまっている”と言われ、抜歯を勧められた…」
そんなとき、多くの方が「もう抜くしかないのか」と不安になるかもしれません。
ですが実は、歯を抜かずに残せる“最後の手段”として、
【歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)】という治療法があります。
この記事の内容
歯根端切除術とは?

歯の根の先にできた膿の袋(病巣)を、外科的に取り除く処置です。
根管治療(歯の中を掃除する治療)では届かない場所の感染を、外側から直接きれいにするイメージです。
通常の根管治療では治らない場合や、再発を繰り返す場合に検討されます。
どんなときに必要?
- 再根管治療でも症状が治まらない
- 根の先に大きな膿がある(歯根嚢胞)
- 金属の土台が入っていて、再治療が難しい
- 「どうしても抜歯したくない」と強く希望される場合
このようなケースでは、抜歯以外の選択肢として有効です。
歯根端切除術の治療の流れ
- CTなどで根の状態を精密に確認
- 局所麻酔のうえ、歯茎を切開
- 病巣と根の先端(2~3mm)を切除
- MTAセメントなどで逆根管充填
- 縫合し、数日後に抜糸
所要時間は30分~1時間ほどで、日帰りで行えます。
費用について
歯根端切除術は、通常は保険診療で対応可能です。
ただし、骨の欠損が大きい場合や、確実に骨の再生を図りたいケースでは、
自由診療で人工骨を使用することがあります(費用:55,000円税込)。
使用の必要性については、診査後に丁寧にご説明いたします。
メリットと注意点
✅メリット
- 歯を抜かずに治療できる可能性がある
- 痛み・腫れなどの症状が改善する
- 根管治療が困難な場合でも対応可能
- 保険適用の範囲で治療できる場合がある
⚠️注意点
- 外科的な処置のため、術後に腫れや内出血が起こることがある
- 奥歯など一部の歯では適応が難しいことがある
- 歯根の状態が悪い場合や、歯の破折がある場合は、抜歯が必要になることも
歯根端切除術を行った実際の症例紹介

治療内容:歯根端切除術
期間、回数:1週間、2回(抜糸も含む) 骨の完全な治癒が確認できるまでは3~6ヶ月
費用:保険適用
リスク:
・術後に痛みや腫れが出る可能性がある。
・歯根が短くなることで、歯が動揺し抜歯処置が必要となることがある。
・処置後に炎症が再発することがある。
・歯根の破折を発見した場合、治療方針を抜歯に変更する可能性がある。
最後に|歯をあきらめる前に、ご相談ください
「もう抜くしかないかも…」そう言われたとき、
すぐに諦めず、“残す方法”がないか考えることも大切です。
当院では、CTやマイクロスコープを使って精密な診査を行い、
できる限り歯を残す治療に取り組んでいます。
「他院で抜歯と言われたけれど迷っている」
そんな方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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※本記事はアネックスデンタルクリニック・矯正歯科 院長 岡本 大典 が監修しています。
