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神経を取った歯はなぜ割れやすい?寿命と歯根破折のリスクを歯科医が解説

2026/03/10

カテゴリー:

「神経を取った歯は割れやすいと聞いたことがある」
「神経を取った歯の寿命はどれくらいなのか気になる」

このような疑問を持つ方は少なくありません。

神経を取った歯は、虫歯が深く進行した歯を保存するために行われる重要な治療です。
しかし天然の歯と比べると、歯の構造が弱くなり、時間の経過とともに歯が割れてしまうことがあります。

この記事では、神経を取った歯が割れやすい理由や寿命、歯根破折のリスクについて歯科医師が解説します。


この記事の内容


神経を取った歯とは?

歯の神経を取る治療は「根管治療」と呼ばれ、虫歯が神経まで進行した場合などに行われる治療です。

歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。
虫歯が深く進行すると、この神経に炎症や感染が起こります。

その場合

  • 感染した神経を取り除く
  • 根の中を消毒する
  • 薬剤で封鎖する

といった処置を行い、歯を保存します。

根管治療によって歯を残すことができますが、神経を取った歯は天然の歯とは少し状態が変わります。

👉 根管治療についての記事はこちら


神経を取った歯が割れやすい理由

歯の量が少なくなっている

神経を取る歯は、もともと大きな虫歯になっていることが多く、歯の量が大きく失われている場合があります。

画像の歯のように、神経の治療を繰り返し歯質が少なくなると、噛む力に耐える強度が低下し、歯根は割れやすい状態になります。


噛む力が強くかかる

人の噛む力は想像以上に強く、奥歯では60〜80kg程度の力がかかるといわれています。

さらに睡眠中の歯ぎしりでは無意識の状態で強く噛みしめるため、100kg近い力が歯にかかる可能性があるとも報告されています。

このような強い力が繰り返し歯に加わることで、歯に亀裂が入り、最終的に歯が割れてしまうことがあります。


ポストや被せ物の影響

神経を取った歯では、被せ物を装着するために歯の内部にポスト(支柱)を入れることがあります。

この構造によって歯の内部に力が集中し、歯根破折の原因になることがあります。


神経を取った歯の寿命はどれくらい?

神経を取った歯は、適切に治療されていれば長く使えることもあります。

しかし天然の歯と比べると歯質が少なくなっていたり、噛む力の影響を受けやすかったりするため、神経を取った歯は割れやすいといわれています。

その結果、時間の経過とともに歯根破折などのトラブルが起こる可能性があります。

神経を取った歯の寿命は一律に決まっているわけではなく、次のような要因によって大きく変わります。

  • 虫歯の大きさ
  • 残っている歯質の量
  • 被せ物の状態
  • 噛み合わせ
  • 歯ぎしりや食いしばり
  • 定期的なメンテナンス

例えば、虫歯によって歯の大部分が失われている場合や、噛み合わせの力が強くかかる場合には、歯の破折リスクが高くなります。

実際の研究でも、神経を取った歯では歯根破折が抜歯原因として多いことが報告されています。

Vireらの研究では、根管治療を受けた歯の抜歯原因のうち
約59%が歯根破折であったと報告されています。

参考文献
Vire DE.
Failure of endodontically treated teeth: classification and evaluation.
Journal of Endodontics. 1991.


歯根破折とは?

歯根破折とは、歯の根が割れてしまう状態のことです。

・噛むと痛い
・歯ぐきが腫れる
・同じ場所が繰り返し腫れる
・歯ぐきから膿が出る

といった症状が出ることがあります。

ただし、初期には症状がはっきりしないこともあり、違和感だけが続くケースもあります。

👉 歯根破折についての記事はこちら


神経を取った歯を守るためにできること

①適切な治療

神経をとる処置をするとき、不要に歯を削ってしまわないように丁寧で必要最低限な治療が必要です。

歯の神経の治療は保険の治療でも可能ですが専門的な技術が必要な治療なため、より精密な治療を行うためにはマイクロスコープやCTなど様々な器具を使う必要があります。

アネックスデンタルクリニックは神経の治療をした後に歯を長く持たせることのできる精密根管治療を行っています。

👉根管治療の記事はこちら

②適切な管理を行う

神経を取った歯でも、適切な管理を行うことで虫歯の再発や歯根破折を防ぐことができ、長く使えることがあります。

例えば

・定期的な歯科検診
・噛み合わせのチェック
・歯ぎしり対策(ナイトガード)

などが重要になります。

歯ぎしりや食いしばりが強い場合は、マウスピースを使用して歯への負担を軽減することもあります。


歯が割れてしまった場合の治療

歯の割れ方や状態によって治療方法は異なります。

軽度の破折であれば

  • 接着修復
  • 被せ物

などで歯を保存できる場合もあります。

しかし歯の根まで割れている場合には、残念ながら歯を残すことが難しく、抜歯が必要になることもあります。

抜歯後は

  • インプラント
  • ブリッジ
  • 入れ歯

といった方法で失った歯を補う治療を行います。

👉 インプラント治療についての記事はこちら

神経を取った歯に違和感がある場合は早めの受診を

神経を取った歯は、適切な治療とメンテナンスによって長く使えることもあります。

しかし天然の歯と比べると歯質が弱くなりやすく、噛む力の影響を受けることで歯根破折が起こる可能性があります。

神経を取った歯のトラブルは、早期に診断することで歯を保存できるケースもあります。

気になる症状がある場合は、できるだけ早めに歯科医院で診察を受けることをおすすめします。

この記事は、西宮北口 アネックスデンタルクリニック院長・岡本が監修しています。