
「毎日しっかり歯を磨いているのに、だんだん歯の色が気になる…」
「コーヒーやお茶を飲むと歯が黄ばんでしまうのでは?」
「白い歯を保ちたいけど、何を気をつければいいの?」
——こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、歯の色は第一印象に直結する、とても大切なポイントです。
そして近年はマスクを外す機会も増えたことで、以前よりも口元の見た目を気にする方が増えています。
では、なぜ歯の色は変わってしまうのでしょうか。
その原因にはいくつかありますが、中でも大きく関わっているのが「食べ物や飲み物による着色」です。
つまり、毎日の食生活が歯の色に影響しているのです。
どんなものが着色しやすいのかを知り、日常の中で少し工夫するだけで予防することができます。
そこで今回は、着色しやすい食べ物・飲み物の特徴と、歯の黄ばみを防ぐためのポイントを分かりやすく解説していきます。
この記事の内容
歯の着色が起こりやすい食べ物とは?
私たちが普段口にしている食べ物の中には、実は歯の色に影響を与えるものが少なくありません。
特に「色が濃い」「油分が多い」「酸性度が高い」といった特徴を持つ食品は注意が必要です。
では、具体的にどんな食べ物が歯の着色につながるのでしょうか。

カレーライス
まず代表的なのが、カレーライスです。
カレーの黄色の正体であるターメリック(ウコン)は、非常に強い色素を持っています。そのため、衣服に付くと落ちにくいように、歯の表面にも沈着しやすいのです。
さらに、ルーに含まれる油分が色素を歯に定着させやすくするため、繰り返し食べることで歯の黄ばみにつながりやすくなります。
つまり、「頻度」と「組み合わせ」によって着色リスクが高まるということです。
トマトソースやケチャップ
次に注意したいのが、トマトソースやケチャップです。
パスタやピザに欠かせないトマトソースには、リコピンという赤い色素が豊富に含まれています。そのため、濃い赤色が歯の表面に残りやすく、着色の原因となります。
さらに、トマトは酸性でもあるため、歯の表面(エナメル質)を一時的にやわらかくしてしまいます。
その結果、色素がより沈着しやすい状態をつくってしまうのです。
醤油やソース類
和食に欠かせない醤油も、実は着色の原因になりやすい調味料です。
なぜなら、醤油の濃い色素が歯の表面に直接残りやすく、少しずつ蓄積していくからです。
特に、毎日のように使う方は注意が必要です。長年の積み重ねによって、歯全体のトーンが少しずつ下がってしまうことがあります。
さらに、とんかつソースやウスターソースなども同様に、色素が濃く粘度が高いため着色しやすい調味料です。
チョコレート・ココア
カカオに含まれる濃い茶色の色素は、歯の表面に残りやすい特徴があります。そのため、食後のブラッシングを怠ると、少しずつ着色が目立つようになることがあります。
また、チョコレートやココアは甘みが強いため、虫歯のリスクを高めてしまう点にも注意が必要です。したがって、頻繁に口にする方は、食後のケアを意識することが大切です。
ベリー類
ブルーベリーやブラックベリー、アサイーなどのベリー類も要注意です。
これらは健康や美容に良い食材として知られていますが、非常に強い色素(アントシアニン)を多く含んでいます。
そのため、歯に紫や赤のステイン(着色汚れ)を残しやすい傾向があります。さらに、スムージーやジャムなどに加工しても、その着色作用はほとんど変わりません。
つまり、ベリー類をよく摂る方も、摂取後のうがいや歯みがきなどで予防意識を持つことが重要です。
歯の色に影響を与える飲み物
食べ物と並んで、歯の色に大きな影響を与えるのが「飲み物」です。
特に、毎日のように習慣的に口にするものは、少しずつ歯の表面に色が定着しやすくなります。
では、どんな飲み物が着色の原因になりやすいのでしょうか。

コーヒー
まず代表的なのが、コーヒーです。
着色汚れの代表格といわれるほど、コーヒーは歯の黄ばみの原因になりやすい飲み物です。
その理由は、ポリフェノールやタンニンといった成分にあります。これらは歯の表面に付着して、茶色っぽい汚れ(ステイン)を作り出すのです。
さらに、コーヒーは酸性の飲み物でもあるため、エナメル質を弱くし、色素がつきやすい環境をつくってしまいます。
つまり、毎日少しずつ飲み続けることで、知らないうちに歯が黄ばんで見えてしまう可能性があるのです。
紅茶・緑茶・烏龍茶
「お茶なら安心」と思っている方も多いかもしれません。しかし、紅茶や緑茶、烏龍茶に含まれる「タンニン」も着色の原因になる成分です。
特に、紅茶は色が濃く、ステイン(着色汚れ)がつきやすい傾向があります。そのため、毎日お茶を飲む習慣がある方は、少しずつ歯のトーンが下がってしまう可能性があります。
とはいえ、お茶には抗菌作用やリラックス効果などの良い面もあります。したがって、飲んだ後にうがいをする、または水を一口飲むなど、小さなケアを心がけていくことで着色を防ぐことができます。
赤ワイン
赤ワインはポリフェノールを豊富に含み、紫色の強い色素が歯に沈着しやすい飲み物です。
さらに、酸性であるため歯の表面(エナメル質)を一時的にやわらかくしてしまう作用があります。その結果、色素が歯に定着しやすく、着色が強くなりやすいのです。
つまり、赤ワインを楽しむときは、飲んだあとに水を飲んだり、早めの歯みがきを心がけることがポイントです。
コーラや炭酸飲料
コーラにはカラメル色素が多く含まれ、歯の表面に茶色い汚れを残しやすい特徴があります。さらに酸性度が高いため、エナメル質を溶かして弱くし、色素がつきやすい状態をつくってしまいます。
スポーツドリンクや栄養ドリンク
一見透明でも、酸性度が高い飲み物は要注意です。歯の表面をわずかに溶かし、ざらつかせることで他の食べ物や飲み物の色素を付着しやすくします。色がついていなくても、歯の着色の原因になることがあります。
毎日の習慣でできる着色対策
「食べたり飲んだりするのをやめればいい」と考える方もいますが、それでは毎日の楽しみがなくなってしまいます。大切なのは、「色素をつきにくくする工夫」と「定期的にリセットする習慣」を持つことです。
食後に水で口をゆすぐ
カレーライスやコーヒーなど、色の濃い食べ物・飲み物を摂った後は、すぐに水で口をゆすぐだけでも予防効果があります。歯の表面に色素を残さないことが、着色を防ぐ第一歩です。

ストローを活用する
アイスコーヒーやジュースを飲む際は、ストローを使うことで歯に触れる量を減らすことができます。特に前歯への着色を防ぐ効果があり、日常的に取り入れやすい方法です。
食後の歯磨きは30分後に
酸性の飲食物を摂った直後は、歯の表面(エナメル質)がやわらかくなっている状態です。すぐに磨くと歯を傷をつけることがあるため、まずは水でゆすぎ、30分ほど経ってから歯みがきをするのが理想的です。
ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使う
ステイン除去成分やポリリン酸ナトリウムなどが配合された歯みがき粉を使うと、着色を軽減しやすくなります。
ただし、研磨剤が強すぎるタイプは歯の表面を傷つけるおそれがあるため、使い方や頻度には注意が必要です。
歯科医院での定期的なクリーニング
家庭でのケアだけでは落としきれないステインもあります。歯科医院で行うクリーニング(PMTC)では、専用の器具と研磨剤を使って歯の表面をツルツルに仕上げるため、着色をリセットする効果があります。
さらに、自費診療にはなりますが、「エアフロー」という方法もおすすめです。
これは微細なパウダーと水流を吹き付けて歯面の着色を効率よく除去する機器で、従来の研磨よりも歯の負担が少なく、細かい溝や矯正装置のまわりの汚れまでしっかり落とすことができます。
着色が気になる方や、より高い審美性を求める方におすすめの方法です。
まとめ
歯の着色は、特別な生活をしていなくても誰にでも起こりうる身近なことです。
たとえば、、、
食べ物ではカレーライスやトマトソース、醤油、チョコレート、ベリー類など。
飲み物ではコーヒー、紅茶、赤ワイン、コーラ、緑茶などが代表的です。
これらを完全に避ける必要はありません。
ただし、日常の中で少し工夫するだけで、着色を大きく減らすことができます。
・食後に水で口をゆすぐ
・ストローを使う
・30分ほど時間を置いてから歯みがきをする
・定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
「いつまでも白くきれいな歯で笑いたい」——
その想いを叶えるためには、毎日のセルフケアと専門的なメンテナンスの両立が大切です。
着色が気になる場合や、もっときれいな歯を目指したい方は、
クリーニングやホワイトニングのご相談もぜひ検討ください。
気になることがあれば、どうぞお気軽にスタッフまでお声かけください!
この記事は、西宮北口 アネックスデンタルクリニック院長・岡本が監修しています。
