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歯ぎしりと睡眠の関係|放っておくと危ない「無意識のクセ」とは?

2025/09/02

カテゴリー:

ギリギリ音を立てる歯ぎしりの画像

この記事の内容

  • はじめに
  • そもそも歯ぎしりってなに?
  • 睡眠と歯ぎしりの深い関係
  • 睡眠が浅くなる原因は?
  • 歯ぎしりが体へ起こす影響
  • 歯ぎしりのセルフチェック方法
  • 歯ぎしりの対策と治療法
  • まとめ
  • はじめに

    朝起きたときに、「なんだかアゴが疲れている」「歯が浮くような感じがする」と思ったことはありませんか?

    実はその違和感、眠っている間に無意識にしている“歯ぎしり”が原因かもしれません。

    歯ぎしり(ブラキシズム)は、本人が気づかないまま進行します。その結果、歯や顎にダメージを与えるだけでなく、さらに睡眠の質の低下や全身の不調に繋がることもあります。特に日常生活のストレスや睡眠リズムの乱れが関係しており、だからこそ決して放置してはいけない症状なのです。

    そこで本記事では、「歯ぎしりと睡眠の関係」をテーマに、原因やリスク、セルフケア そして、歯科でできる治療法までわかりやすく解説していきます。

    そもそも歯ぎしりってなに?

    歯ぎしりとは、上下の歯を強くこすり合わせたり、噛みしめたり、カチカチと鳴らすような無意識の行動です。特に睡眠中に起きる歯ぎしりは、自分自身では気づきにくく、家族やパートナーに指摘されてはじめて知るというケースも少なくありません。

    歯ぎしりには以下のようなタイプがあります。

    主な歯ぎしりのタイプ

    ・グラインディング(grinding):ギリギリと歯を横方向にこすり合わせる

    ギリギリと歯を横方向にすり合わせる歯の画像

    ・クレンチング(clenching):強く食いしばる、上下の歯をグッと押し付ける

    強く食いしばる、上下の歯をグッと押し付ける歯の画像

    ・タッピング(tapping):歯をカチカチと鳴らす

    歯をカチカチと鳴らす歯の画像

    いずれのタイプも、歯や顎、筋肉に負担をかける行為であり、放置することでさまざまな問題を引き起こします。

    睡眠と歯ぎしりの深い関係

    歯ぎしりは、睡眠の中でも特に浅い眠り(レム睡眠の前後)のタイミングで多く見られることがわかっています。この時期は脳がまだ活動しており、夢を見ることも多いフェーズ。そんな中で、身体が緊張状態になると、無意識に筋肉が動いて歯ぎしりを起こしてしまうのです。

    睡眠が浅くなる原因は?

    ・日中のストレスや不安

    ・就寝前のスマホやPC使用によるブルーライトの刺激

    ・過度なカフェイン・アルコール摂取

    ・睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害

    ・生活リズムの乱れ

    このように、歯ぎしりは睡眠の質が低下しているサインとも言えます。つまり、単なるクセではなく、「体が無意識のうちにストレスに対処しようとしている反応」だということを、まず理解しておきましょう。

    歯ぎしりが体へ起こす影響

    1. 歯へのダメージ

    歯ぎしりによる摩擦は、歯のエナメル質をすり減らしたり、割れたりする原因になります。ひどい場合には、知覚過敏や歯根へのダメージを招き、治療が必要になるケースもあります。

    2. 顎関節症(がくかんせつしょう)

    強く食いしばるタイプの歯ぎしりでは、顎関節に大きな負荷がかかります。

    「口を開けるとカクカク音がする」「アゴが痛くてあくびができない」といった症状がある場合、顎関節症を疑いましょう。

    3. 筋肉や首・肩のコリ

    噛みしめが続くことで、アゴ周辺の筋肉が緊張し、肩や首のこり、頭痛といった全身の不調に波及することもあります。歯ぎしりはアゴの問題に留まらず、慢性的な体の疲労や痛みの引き金にもなるのです。

    4. 睡眠の質の低下

    頻繁に歯ぎしりをする人は、深い眠り(ノンレム睡眠)に十分に到達できていないことがあります。つまり、寝ていても脳や筋肉が完全には休めていないという状態です。

    「寝ても疲れが取れない」「すぐ目が覚める」と感じている方は、歯ぎしりが原因の可能性も。

    歯ぎしりのセルフチェック方法

    歯ぎしりは無意識の行動なので、日中には気づかないことがほとんどです。以下のチェックリストで、自分に思い当たる点があるか確認してみてください。

    ・朝起きたときにアゴが疲れている

    ・歯がすり減っている、削れている

    ・頭痛や首・肩こりがある

    ・歯が欠けたことがある

    ・家族やパートナーに「歯ぎしりしてる」と言われた

    ・口を開けるとアゴが鳴る

    ・就寝中に目が覚めることが多い

    複数当てはまる場合は、歯科医院への相談をおすすめします。

    歯ぎしりの対策と治療法

    1. 日常生活でできるセルフケア

    ・就寝前にリラックスする時間を設ける(ストレッチや軽い読書)

    ・寝る前のスマホやPC使用を控える

    ・カフェイン・アルコールを控える

    ・ストレスを感じたらこまめに発散(運動・日記・話すなど)

    2. 歯科での専門的な治療

    ・ナイトガード(マウスピース)の装着

    ナイトガードの画像

      就寝中に着けることで、歯の摩耗を防ぎ、アゴの負担を軽減します。

    ・噛み合わせの調整

      歯ぎしりの一因となる不自然な咬合を整えることで、症状の改善が期待できます。

    ・ボトックス注射

      咬筋の緊張を一時的に緩める治療法。強い噛みしめ癖がある方に検討されることがあります。

    ・睡眠外来との連携

      睡眠時無呼吸症候群や不眠症などが疑われる場合は、専門医との連携で根本的な改善を目指します。

    歯ぎしりは「体からのサイン」。無視せず、早めのケアを

    歯ぎしりは、私たちの心と体のバランスが崩れているサインでもあります。

    「寝ている間のことだから自分ではどうしようもない」と諦めず、日常のストレスを見直すこと、睡眠環境を整えること、歯科医に相談すること

    どれも、すぐに始められる対策です。

    まとめ

    歯ぎしりは睡眠の質やストレスと密接に関係している

    無意識でも、歯やアゴ、体に大きな負担をかけている

    自己判断せず、歯科での早期対応が大切

    ナイトガードや生活習慣の改善が有効

    睡眠の質を見直すことが、歯ぎしり改善の第一歩になる

    毎日の「何となく不調」は、実は夜の歯ぎしりが関係しているかもしれません。歯ぎしりは自分では気づかないクセだからこそ、気づいた今が見直すタイミングです。

    👉歯ぎしり・食いしばりについての記事はこちら

    この記事は、アネックスデンタルクリニック院長・岡本が監修しています。

    アネックスデンタルクリニック・矯正歯科院長岡本大典